衛生推進者とは?選任義務・対象事業場・講習内容をわかりやすく解説【2026年最新版】
- 7月27日
- 読了時間: 15分
更新日:7月29日
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※本記事では自社サービスの紹介を含みます。
3分でわかる「衛生推進者」とは
「衛生推進者を選任してくださいと言われたけれど、何をすればいいかわからない」「衛生管理者との違いがよくわからない」という方も多いのではないでしょうか。
衛生推進者は、常時10人以上50人未満の労働者を使用する一定の事業場で選任が必要となる、安全衛生管理体制の重要な役割です。主に、職場の健康管理や作業環境の改善、労働者への衛生教育などを担当し、働きやすく安全な職場づくりを推進します。
この記事では、衛生推進者の概要から選任義務、仕事内容、講習内容、衛生管理者との違いまで、初めて担当する方にもわかりやすく解説します。
この記事でわかること
衛生推進者とは何か
選任が必要となる事業場
選任義務と法的根拠
衛生推進者の仕事内容
衛生推進者講習の内容
衛生管理者との違い
オンライン講習を選ぶポイント

衛生推進者とは

衛生推進者とは、労働者の健康障害を防止し、快適な職場環境を維持・改善するために選任される担当者です。
労働安全衛生法では、事業者に対して労働者の安全と健康を守るための体制整備が義務付けられています。その中でも、比較的小規模な事業場では、安全管理者や衛生管理者ではなく、「衛生推進者」または「安全衛生推進者」を選任することで、安全衛生管理体制を整えることができます。
衛生推進者は、職場で発生する健康リスクを把握し、改善活動を進める中心的な存在です。例えば、熱中症対策や作業環境の改善、健康診断後のフォロー、安全衛生教育など、労働者が安心して働ける環境づくりに取り組みます。
近年では、熱中症対策や化学物質管理、メンタルヘルス対策など、企業に求められる衛生管理の重要性が高まっており、衛生推進者の役割もますます大きくなっています。
衛生推進者の法的根拠
衛生推進者の選任義務は、労働安全衛生法第12条の2および労働安全衛生規則に基づいて定められています。
事業者は、対象となる事業場では衛生推進者を選任し、労働者へ周知するとともに、必要な職務を行わせなければなりません。
なお、衛生推進者を選任した場合でも、労働基準監督署への選任報告書の提出は不要です。一方で、事業場内で氏名を掲示するなど、労働者へ周知することが求められます。
衛生推進者の選任義務
衛生推進者は、すべての会社で必要になるわけではありません。
会社の業種や事業場の規模によって、選任すべき担当者は異なります。
そのため、まずは自社が衛生推進者の対象となるか確認することが重要です。
衛生推進者を選任しなければならない事業場
衛生推進者の選任が必要となるのは、常時10人以上50人未満の労働者を使用する非工業的業種などの事業場です。
代表的な業種には、次のようなものがあります。
金融業
保険業
不動産業
卸売業
小売業
飲食店
宿泊業
医療機関
社会福祉施設
教育機関
各種サービス業 など
一方、建設業や製造業、運送業などの一定の業種では、「衛生推進者」ではなく「安全衛生推進者」の選任対象となります。
そのため、自社の業種を正しく確認することが重要です。
何人選任すればよい?
衛生推進者は、事業場ごとに1名以上選任します。
例えば、本社と支店がそれぞれ独立した事業場として扱われる場合には、それぞれの事業場で選任が必要となります。
会社全体で1人ではなく、「事業場単位」で考えることがポイントです。
いつまでに選任する?
新たに従業員数が10人以上となり、選任義務が発生した場合は、速やかに選任することが求められます(法的には14日以内)。
例えば、次のようなケースでは、衛生推進者の選任が必要になる可能性があります。
従業員数が9人から10人になった
新しい店舗や営業所を開設した
会社の業種変更により対象となった
事業場の状況が変わった際には、衛生推進者の選任義務が生じていないか確認しましょう。
衛生推進者を選任しないとどうなる?
衛生推進者を選任していない場合、労働安全衛生法違反となり労基署から指導や是正勧告を受ける可能性があります。
また、労働災害が発生した際には、「安全衛生管理体制が整備されていなかった」と判断される要因の一つになることもあります。
法令を遵守するだけでなく、労働者が安心して働ける環境を整えるためにも、衛生推進者の選任は重要です。
衛生推進者の仕事内容

衛生推進者は、単に名前だけを登録する役職ではありません。
労働者が健康で安全に働ける職場を維持するために、日常的な衛生活動を推進することが重要な役割です。
労働安全衛生法では、衛生推進者が行うべき職務が定められており、事業者は衛生推進者が適切に活動できる体制を整える必要があります。
ここでは、代表的な仕事内容を紹介します。
作業環境の点検・改善
衛生推進者の代表的な仕事が、職場環境の確認です。
例えば、次のような項目を定期的に確認します。
室内の温度・湿度
換気状況
照明の明るさ
通路や作業スペースの整理整頓
騒音や振動
粉じんや臭気
有害物質の管理状況
作業環境に問題があれば、改善策を提案し、働きやすい職場づくりにつなげます。
近年は、熱中症対策や化学物質管理の重要性が高まっており、職場環境の点検は以前にも増して重要な業務となっています。
労働者の健康管理
衛生推進者は、労働者の健康維持にも関わります。
健康診断を実施するだけではなく、その結果を職場改善に活かすことも大切です。
例えば、
健康診断の受診状況の確認
長時間労働者への配慮
メンタルヘルスへの対応
熱中症予防
感染症対策
などが挙げられます。
体調不良者が発生しやすい職場では、休憩場所の確保や水分補給の促進なども重要な取り組みです。
衛生教育の実施
労働災害の多くは、「知らなかった」「危険だと思わなかった」という認識不足から発生します。
そのため、衛生推進者は労働者への教育も重要な仕事です。
教育内容の例として、
手洗い・感染症対策
熱中症予防
腰痛予防
VDT作業による健康障害防止
保護具の正しい使用方法
健康診断結果の見方
危険感受性教育
などがあります。
定期的に衛生教育を実施することで、職場全体の安全意識や健康意識を高めることができます。
職場巡視
衛生推進者は、定期的に職場を巡視し、衛生上の問題がないか確認します。
巡視では、次のような点を確認するとよいでしょう。
通路に物が置かれていないか
転倒しやすい場所はないか
換気設備は正常に動いているか
清掃が行き届いているか
保護具が適切に使用されているか
休憩室やトイレは清潔か
作業者が不安全な行動をしていないか
小さな問題でも放置すると、労働災害や健康障害につながる可能性があります。
そのため、日頃から職場を確認し、改善を積み重ねることが重要です。
衛生推進者講習とは
衛生推進者として選任されるためには、一定の資格要件を満たす必要があります。
その方法の一つが「衛生推進者養成講習」の受講です。
講習では、衛生管理に必要な基礎知識を体系的に学ぶことができます。
講習で学ぶ内容
講習では、次のような内容を学習します。
労働安全衛生法
作業環境管理
作業管理
健康管理
労働衛生教育
健康障害の防止
職場巡視のポイント
リスクアセスメントの基本
法令だけではなく、実際の現場で役立つ知識も学べるため、初めて衛生推進者になる方でも安心して受講できます。
オンライン講習という選択肢

アイムセーフのオンライン講習には、次のようなメリットがあります。
全国どこからでも受講できる
会場まで移動する必要がない
交通費や宿泊費を抑えられる
業務の都合に合わせて受講しやすい
ただし、オンライン講習を選ぶ際は、修了証の発行方法や講師への質問時間の有無なども確認しておくと安心です。
アイムセーフ実務ポイント
講習で受講者の方からよくいただく質問に、「衛生推進者に選任されたら、毎日何か特別な仕事をしなければならないのでしょうか」というものがあります。
実際には、毎日特別な業務が発生するわけではありません。
重要なのは、職場の衛生状態を定期的に確認し、問題があれば改善につなげることです。
例えば、
月に一度の職場巡視
季節ごとの熱中症対策
健康診断後のフォロー
衛生教育の実施
などを計画的に行うことで、衛生推進者としての役割を果たすことができます。
「一人で抱え込む」のではなく、現場の管理者や従業員と協力しながら職場環境を改善していくことが、衛生推進者に求められる姿勢です。
衛生推進者と衛生管理者・安全衛生推進者との違い

衛生推進者と似た名称の資格・役職として、「衛生管理者」や「安全衛生推進者」があります。
名称が似ているため混同されることがありますが、それぞれ役割や選任対象が異なります。
衛生推進者と衛生管理者の違い
最も大きな違いは、選任される事業場の規模です。
衛生推進者は、常時10人以上50人未満の労働者を使用する対象事業場で選任されます。
一方、衛生管理者は、常時50人以上の労働者を使用する一定の事業場で選任が義務付けられています。
また、衛生管理者になるためには国家資格(第一種衛生管理者・第二種衛生管理者など)が必要ですが、衛生推進者は一定の資格要件を満たすことで選任できます。
つまり、事業場の規模が大きくなると、衛生推進者ではなく衛生管理者の選任が必要になります。
衛生推進者と安全衛生推進者の違い
両者の違いは、対象となる業種です。
衛生推進者は、主に小売業、飲食業、医療・福祉、金融業などの非工業的業種を対象としています。
一方、安全衛生推進者は、建設業、製造業、運送業、自動車整備業など、安全管理と衛生管理の両方を重点的に行う必要がある業種で選任されます。
そのため、自社の業種によって、どちらを選任するかが決まります。
どちらを選任すればよいかわからない場合は?
「自社は衛生推進者と安全衛生推進者のどちらを選任すればよいのかわからない」という相談は少なくありません。
業種や事業内容によって選任すべき役職は異なるため、迷った場合は労働安全衛生法や労働安全衛生規則を確認するほか、講習機関へ相談することをおすすめします。
よくある質問(FAQ)
Q1. 衛生推進者は必ず講習を受講しなければなりませんか?
衛生推進者として選任されるためには、法令で定められた資格要件を満たす必要があります。
実務経験などにより要件を満たす場合もありますが、多くの事業場では衛生推進者養成講習を受講して選任しています。
Q2. 衛生推進者講習に更新はありますか?
衛生推進者養成講習には、自動車運転免許のような更新制度はありません。
ただし、労働安全衛生法の改正や最新の労働災害防止対策を学ぶため、定期的に知識をアップデートすることが望ましいでしょう。
厚生労働省では概ね5年毎に再教育を推奨しています。
Q3. オンライン講習でも修了証は発行されますか?
オンライン講習でも、法令に適合した講習であれば修了証が発行されます。
講習機関によって修了証の発行方法や発送時期が異なるため、事前に確認しておくと安心です。
Q4. 衛生推進者を選任したら労働基準監督署へ届け出る必要がありますか?
衛生推進者については、一般的に労働基準監督署への選任報告は不要です。
ただし、事業場内で労働者に周知することが必要です。
Q5. 衛生推進者は一人で業務を行うのでしょうか?
いいえ。
衛生推進者は、事業者や管理者、現場の責任者、従業員と連携しながら職場環境を改善していく役割です。
一人で全てを抱え込む必要はありません。
まとめ
衛生推進者は、労働者が安心して働ける職場づくりを支える重要な役割です。
特に、従業員数10人以上50人未満の対象事業場では、法令に基づき衛生推進者の選任が必要になります。
衛生推進者は、作業環境の改善、健康管理、衛生教育、職場巡視など、幅広い業務を担当します。
近年は、熱中症対策やメンタルヘルス対策、化学物質管理など、企業に求められる衛生管理の範囲が広がっており、衛生推進者の役割はますます重要になっています。
また、講習を受講することで、法令だけでなく実務に役立つ知識も身に付けることができます。
衛生推進者として適切な知識を習得し、職場の安全と健康を守る取り組みを進めていきましょう。
衛生推進者講習をご検討中の方へ
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衛生推進者の選任を予定している方や、安全衛生管理の知識を身につけたい方は、ぜひ講習をご検討ください。
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衛生推進者を選任する際の注意点
衛生推進者を選任する際は、「とりあえず誰かを選べばよい」というものではありません。
選任後に適切な活動が行われていないと、職場の安全衛生管理が十分に機能せず、労働災害や健康障害につながる可能性があります。
ここでは、衛生推進者を選任する際に押さえておきたいポイントを紹介します。
1. 自社が対象事業場か確認する
まず確認したいのが、自社が衛生推進者を選任すべき事業場かどうかです。
選任義務は、業種や常時使用する労働者数によって異なります。
例えば、同じ従業員数でも、建設業や製造業などでは「安全衛生推進者」の選任対象となる場合があります。
業種の判断に迷う場合は、労働安全衛生法や労働安全衛生規則を確認するほか、所轄の労働基準監督署や講習機関へ相談するとよいでしょう。
2. 適任者を選任する
衛生推進者は、職場全体の衛生管理を推進する立場です。
そのため、現場の状況を理解し、従業員と円滑にコミュニケーションを取れる人を選任することが望まれます。
また、衛生管理に関する知識を継続的に学び、法令改正や新たな健康リスクにも対応できる姿勢が求められます。
3. 選任後は労働者へ周知する
衛生推進者を選任したら、その氏名を労働者へ周知しなければなりません。
例えば、次のような方法があります。
事務所への掲示
社内イントラネットへの掲載
朝礼やミーティングでの周知
社内報や掲示板への掲載
「誰が衛生推進者なのか」を従業員全員が把握できる状態にしておくことが大切です。
4. 定期的な職場巡視を行う
選任しただけで終わりではありません。
職場巡視を定期的に実施し、問題点を早期に発見・改善することが重要です。
例えば、次のような視点で確認すると効果的です。
通路に障害物はないか
換気は十分か
室温・湿度は適切か
保護具は正しく着用されているか
整理整頓ができているか
転倒やつまずきの危険はないか
こうした小さな改善の積み重ねが、労働災害の防止につながります。
衛生推進者に関する法改正・最新動向
労働安全衛生法は、社会情勢や働き方の変化に合わせて改正されています。
近年では、次のようなテーマへの対応が重要視されています。
熱中症対策の強化
化学物質の自律的管理
高年齢労働者の労働災害防止
メンタルヘルス対策
長時間労働による健康障害防止
衛生推進者には、これらの最新情報を把握し、職場へ反映していく役割も期待されています。
講習修了後も、厚生労働省や都道府県労働局が発信する情報を定期的に確認し、知識を更新していくことが重要です。
アイムセーフからのアドバイス
衛生推進者は、「法令で決まっているから選任する役職」ではありません。
本来の目的は、労働者が安心して働ける職場環境をつくることです。
実際に講習を担当していると、「講習を受けて初めて、自社の職場に改善すべき点が多くあることに気付いた」という受講者の声を多くいただきます。
衛生推進者として活動する際は、法令を守るだけでなく、「どうすれば従業員がより安全で健康に働けるか」という視点を持つことが大切です。
小さな改善を積み重ねることが、労働災害の防止や従業員の健康維持、そして企業全体の生産性向上にもつながります。
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■(雇い入れ時の安全衛生教育)
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